従来型特養での単発派遣ー想像以上だった介護業務の現実

単発派遣体験談

従来型特養での単発派遣 – 想像以上だった介護業務の現実

先日は特養の「ユニット型」と「従来型」の違いについてお伝えしましたが、今回は実際に単発派遣で従来型特養に入った時の体験をお話しします。

施設に入った瞬間の圧迫感

その施設に足を踏み入れた瞬間、まず感じたのは「広い」「長い」という圧迫感でした。約70人ほどの利用者さんを南と北のフロアに分けて見ているような造りで、規模の大きさに驚きました。

食事の時間も、1か所に30〜40人ほどの利用者さんが集まって食べる形式でしたが、対応する職員はたったの2人。途中から1人加わって計3人という状態で、反対側のフロアも同じく約30人に対して2〜3人体制で食事介助にあたっていました。本来必要な人員の、体感では半分ほどしかいない印象でした。

利用者さんはほぼ全員車椅子で、移乗介助が必要な方ばかり。それも、とても1人では対応できないような脱力の大きい方を、職員が1人でベッドに戻しているような場面もありました。私自身も「次々にベッドに戻して」と言われ、朝は朝で「次々に起こして」と言われ、結局1人で10人ほど移乗を行いました。中には結構重度の方も含まれていました。

そのせいか、利用者さんの腕や足には内出血が多く見られ、皮膚も乾燥していて少し触れただけで剥離しそうな状態の方も。おむつが当たる部分から出血している方もいましたが、周囲に軟膏の準備すらありませんでした。

ある日の夜勤タイムスケジュール(16時〜翌9時)

実際にどんな流れで動いていたか、時系列でまとめてみます。

  • 16:00〜 食堂への誘導開始。おむつ交換がまだの方は交換してから移乗
  • 配膳、投薬、食事介助、下膳
  • 19:30 食後の移乗が終わり次第、すぐにおむつ交換
  • 21:00 眠剤配布、記録、ナースコール対応
  • 23:00 一部の方のみおむつ交換、バルーンカテーテルの方は尿量記録。巡視は1時間おき
  • 0:00〜2:00 休憩時間。この間に夕食と仮眠を取ろうとするが、畳の休憩室が汚れていて横になれず
  • 2時・3時・4時 巡視とコール対応。おむつ交換の訴えが頻回にあり、その都度対応
  • 合間の時間で洗濯物(エプロンなど)を回し、たたむ作業
  • 4:30〜 おむつ交換、シーツ交換、更衣
  • 5:30〜 起床対応、移乗開始
  • 7:30〜 食事開始。2人体制で配膳・配薬・介助
  • 下膳の頃には日勤者が出勤してくるが、食後の移乗はその後も多く発生
  • 9:00 まで移乗対応が続き、勤務終了

食事介助も時間になれば途中で打ち切って片付けに入らないと間に合わず、片付けが終わればすぐにおむつ交換開始。結局、休憩の2時間まで、自分の食事すら取れませんでした。

環境面の問題

シーツが汚れたままの状態も多く見られ、不穏な利用者さんが多いにもかかわらずセンサーコールは設置されておらず、たまにナースコールが鳴る程度。転倒のリスクを考えると、なぜセンサーコールをつけないのか疑問に感じるような、危険と隣り合わせの環境でした。

職員さんに「派遣の◯◯です」と挨拶しても反応は薄く、自分から挨拶を返してくれたのは1人だけ。夜勤体制も、私を含めてたった4人。もちろんマニュアルの説明も一切なく、いきなりおむつ交換や移乗から業務がスタートしました。今まで経験した中でも、正直ここまでの環境は初めてでした。以降、この施設への派遣は避けるようにしていますし、同業の友人に聞かれた際も、しっかり現実を伝えています。「ありがとう。行くのやめとくわ!」と返事がありました。

まとめ:従来型特養に単発派遣で入るなら、介護業務への抵抗のなさがカギ

普段、処置や受診対応がメインで、おむつ交換や移乗をほとんど任されない環境に慣れている看護師さんほど、こうした従来型の現場に入ると「思っていたより介護業務の比重が大きい」とギャップに驚くかもしれません。今回のケースのように、車椅子移乗が10人単位で発生し、朝の起床介助やおむつ交換まで一手に任されることも珍しくありません。

だからこそ、従来型に単発派遣で入る際は、ある程度移乗やおむつ交換といった介護業務に自信がある(苦手意識がない)人のほうが、スムーズに動きやすいと感じます。

もちろん、これはあくまで一つの傾向です。職員数が多い従来型では、介護職員がほとんどの介護業務をカバーしてくれる、環境の整った施設もあります。「従来型=大変」と一概に決めつけるのは早計で、実際にその施設の人員体制や職員の様子を見極める視点も大切だと感じています。

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