特養選び、従来型とユニット型どっちがいい?単発派遣で両方経験して分かったこと

単発派遣体験談

同じ「特別養護老人ホーム(特養)」という括りでも、実際に単発派遣で現場に入ってみると、施設によって利用者さんの状態がまったく違うことに驚かされました。

今回は、私が実際に経験した「従来型」と「ユニット型」、2つの特養での体験を比較しながらお伝えします。あくまで私が経験した個別の施設の話であり、すべての従来型・ユニット型施設に当てはまるわけではありませんが、施設選びの参考になればと思います。

😰 従来型特養で感じた「圧」

その施設に足を踏み入れた瞬間、まず感じたのは広さと圧迫感でした。廊下が長く続く造りの部屋が多く、「廊下が長い=それだけ利用者数が多く、介助も大変になる」という考えが頭をよぎりました。約60人~70人くらいの利用者さんを、南と北のフロアに分けて見ているような体制です。

■ 人員に対して利用者数が多すぎる

食事の時間になると、1か所に30〜40人ほどの利用者さんが集まって食べるのですが、対応する職員はたったの2人。途中からもう1人加わって計3人という状態でした。反対側のフロアも同じような状況で、5〜6人の職員で食事介助にあたっていましたが、体感としては、本来必要な人数の倍近くは欲しいレベルでした。

利用者さんはほぼ全員が車椅子で、移乗介助が必要な方ばかり。中には一人ではとても支えきれないような、脱力の強い大柄な方もいらっしゃいましたが、それも一人でベッドに戻す状況でした。

私自身も、次々と車椅子の方をベッドに戻すよう指示され、朝は朝で次々とベッドから起こすよう言われ、結局一人で10人以上の移乗介助をこなすことになりました。中には結構重度な方も含まれています。私もこれまでの経験で、ある程度の移乗は慣れて自信もありましたが、さすがにこれはきつかった!

😥

もちろん、従来型だからすべてが悪いというわけではないと思います。ただ、ユニット型であれば1ユニットあたり10人程度の利用者さんを見る形が多いのに対し、これだけの人数を一人で担当するとなると、利用者さん一人ひとりとゆっくり話す時間はまったく取れないというのが正直な感覚でした。

■ 皮膚状態・シーツの状態

そうした環境のせいか、利用者さんの腕や足には内出血が多く見られました。皮膚も乾燥していて、少し当たっただけで剥離しそうなほど乾燥した皮膚状態の方も多くいました。おむつが当たる部分から出血している方もいましたが、周囲に軟膏などのケア用品が置かれていないことにも驚きました。

食事介助も時間になったら途中で切り上げて片付けに入らないと間に合わず、片付けが終わったらすぐにおむつ交換が始まる、というスケジュールです。結局、私自身も夜中0時の2時間の休憩まで食事を取れないという状態でした。交代の職員は夜中2時まで食事はとれない状態です。朝も4時半前からおむつ交換に回り始めます。本当にビックリしました。

シーツは汚れたままの状態で放置されていることが多く見られました。

■ 見守り体制への疑問

不穏な様子の利用者さんが多いにもかかわらず、センサーコールは設置されておらず、たまにナースコールが鳴る程度でした。転倒のリスクが高いと感じる方も多く、なぜセンサーコールを導入しないのか疑問に思いました。

夜勤は私を含めて4人体制。マニュアルは特になく、何の説明もないまま、おむつ交換や移乗介助からいきなり業務が始まりました。

😱

正直なところ、これまで経験した中で一番厳しい環境でした。この経験を機に、この施設には今後行かないと決めましたし、同業の看護師の友人にこの施設のことを聞かれた際も状況を伝え「行かないほうがいい」と伝えました。たまたま人が不足している時に行ったのもあると思いますが…とても厳しかった。

😌 ユニット型特養で感じた違い

一方、以前から働いていたユニット型の施設は、体制からしてまったく違いました。

各ユニットは職員1人体制で、夜間も1人で2ユニットを見る形です。人数だけ見ると決して余裕があるわけではありませんが、ユニットという単位で少人数の利用者さんを継続的に見ているため、一人ひとりの状態を把握しやすい印象があります。

夕食は2人体制で対応し、食事介助も何とか目が行き届く状態でこなせます。その時の体調によっては居室での食事対応になっていることもありました。従来型では居室対応は出来る状態ではなかったように感じます。

移乗介助についても、一人で対応できそうな利用者さんであっても、過去に転倒歴があるという理由でわざわざ2人介助にしているケースが何人もありました。安全を優先してリスクのある方には手厚く対応するという姿勢が徹底されている印象を受けました。

■ 皮膚状態への配慮が見える

体位変換の実施記録が写真付きで貼り出されていたり、軟膏があらかじめ用意されていたりと、皮膚トラブルを未然に防ぐ工夫が随所に見られました。実際、皮膚状態が良好な利用者さんが多く、こちらとしても「丁寧にケアしないといけない」という気持ちになる環境でした。

おやつも利用者さん一人ひとりの分をきちんと預かって管理しているため、それぞれのペースでゆっくり本人の好みのおやつを食べたり水分を取ったりする時間が確保されていました。振り返ると、従来型のようにあれだけの人数がいる環境では、そもそも施設から出る以外の、一人ひとりのおやつを個別に管理して保管する場所すら確保するのが難しいのではないかとも思います。

22時くらいには落ち着いた雰囲気になり、職員である私自身も夕食を取れる余裕がありました。

🙂

センサーコールについては頻繁に反応する印象があり(体動でも反応してしまうことがあり、そこは少し困る場面もありました)、その分見守りや声掛けで対応できる範囲が広く、転倒などのリスクにはしっかり気を配れている体制だと感じました。

📝 特養選びで見えてきたチェックポイント

この2つの施設を比べて、家族が特養を選ぶ際に確認しておきたいと感じたポイントをまとめます。

  • 従来型かユニット型か:同じ「特養」でも構造が大きく異なり、職員一人あたりが受け持つ利用者数に差が出やすい
  • 利用者の皮膚状態:内出血や皮膚剥離、おむつかぶれの有無は、日々のケアの丁寧さを反映するバロメーターになりやすい
  • シーツや室内の清潔さ:見学時にさりげなく確認できるポイント
  • 転倒防止の体制:センサーコールなど、見守り体制がどの程度整っているか
  • 職員の余裕:職員自身が食事や休憩をきちんと取れているかは、間接的にケアの質にも影響する

同じ「特養」という言葉で括られていても、現場の実態は施設によって大きく異なります。もし家族の施設選びで迷っている方がいたら、パンフレットの情報だけでなく、可能であれば実際の様子(特に服装の汚れやシーツの清潔さ、職員の疲労状況など)を見学時にチェックしてみることをおすすめします。

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