〜✿〜
三流ルートで看護師になった話、それでも最高だった

29歳で准看護師学校に入学し、31歳で准看護師資格を取得。結婚・出産を経て、通算10年の病院勤務のあと、通信制の看護学校に進学し、45歳でようやく正看護師の資格を取りました。
29歳から数えると、実に16年がかりです。世間的には決して早くも、決してきれいなルートでもありません。自分でも「三流ルートだな」と思っています。でも、それでも最高だったと今なら言えます。
准看護師として働いていたある時、「10年の実務経験があれば、通信制の看護学校に進学して正看護師の免許が取れる」という制度を知りました。
転職するなら正看護師の資格があった方が確実に有利だと思い、進学を決意しました。
実は、転職サイトを見るたびに「正看護師」という条件で絞られてしまい、悔しい思いをしたことも何度もありました。それも、進学を決めた理由のひとつです。
〜✿〜
.png?width=1120)
先に取った単位が、大きな武器になった
制度を知った時点では、産休などの都合でまだ実務経験7年目。10年に満たない期間がありました。
通信制の看護学校では、放送大学で先に単位を取得しておけば、入学後にその単位を認めてもらえるという仕組みがあったので、学校に問い合わせて確認したうえで、先に放送大学の単位を取り切っておくことにしました。
これが、後になってとんでもなく大きなプラスになりました。実際に学校が始まってからは、放送大学と学校の授業を同時進行でこなす必要があるのですが、私はすでに放送大学の単位を取り終えていたので、学校の課題だけに集中できたんです。同期の中でも、かなり有利な状態でスタートできました。
〜✿〜
想像をはるかに超える過酷さ
それでも、実際に学校生活が始まってからは、予想をはるかに超える大変さでした。仕事、子育て、家のこと、そこに学校の課題が容赦なく重なってきます。
教科の試験は、筆記試験に加えて「紙上事例」というレポート課題があります。事例を読んで看護過程の展開を作成するのですが、これが答えのない難問で、本当に苦労しました。3回提出しても合格できなければ留年。提出期限を過ぎればそこで終わりという、緊張感のある制度でした。
通信制のため、課題は基本的に郵便で提出します。県外に住んでいる人も多く、間に合わない場合は学校まで直接持って行く人もいたようですが、私は基本的に郵便で提出していました。
授業は決められた日に、自分が住む県内で開催されるのですが、どうしても都合が悪い場合は、別の回・別の場所の同じ科目を受講すれば出席扱いになるという柔軟なシステムもありました。
〜✿〜
見学実習は1科目2日、それが8科目
次の関門は見学実習です。1科目につき2日間、それが8科目分あります。実習場所はこちらでは選べず、割り振られる形。遠方に割り当てられた人は、毎回泊まりがけで通っていました。私は幸い、車やタクシーで通える範囲だったので助かりました。
学生時代の実習とは違い、すでに臨床経験があったうえでの「見学」なので、内容自体はそこまで大変ではありませんでした。本当に大変だったのは、内容よりも「スケジュール」の方だったんです。
〜✿〜
丸1か月、休みなしだった夏
見学実習は、基本的に仕事が休みの日に合わせて希望を出す必要があります。つまり、実習をこなせばこなすほど、自分の休みはどんどんつぶれていきます。
当時の主任の方針もあり、年次有給休暇は一つも使わせてもらえず、見学実習の日はすべて「公休」扱いになりました。しかもその時期はちょうど夏休みで、学童の弁当作りも重なり、結果として丸1か月、休みなしという状況になりました。
実習には自分の職場の制服を着ていく決まりだったのですが、休みが一日もなかったその1か月間は、制服を着ない日が一日もありませんでした。結果的に、毎日同じ制服を着続けていたことになります。正直、かなり辛かったです。
「もっと若いうちに資格を取っておけば」とも思いましたが、若い頃にはこの現実は想像もつきませんでした。子どもにも我慢させてしまった部分は多かったと思いますが、家族の協力がなければ絶対に乗り越えられなかった1か月でした。
振り返ると、人生で一番努力し、勉強した時期だったと思います。
〜✿〜

まとめ
でも、その努力のおかげで、今の自分があります。自分が思い描いていた以上の、大きな見返りを受け取ることになりました。
できる・できないの前に、そもそも上司から声をかけてもらえるようになりました。准看護師では法律上できなかったことが、正看護師になったことでできるようになり、任される仕事の範囲も一気に広がりました。転職サイトで「正看護師」の条件に阻まれてがっかりすることも、もうありません。需要があります。生活の安定につながりました。
そして何より、仕事の内容は変わらないのに、基本給が突然上がりました。
看護師という仕事は、「ありがとう。」と、患者様から言われることがよくあります。またそれが仕事の励みにもなり、やりがいを感じるところです。
29歳から16年。決してきれいなルートではなかったけれど、それでも最高の結果でした。


コメント